自然豊かな高千穂の地で茶葉を栽培し、釜炒りという製法でお茶を作っています。
気候は一年ごとに変わるので茶葉の生育も同じようにはいきませんが、いつでもいい原料が収穫できるよう、できるだけのことはしてあげたいと思っています。そしていつものように地元の人がおいしいと言ってくれる味に仕上げることを心がけています。
ペットボトル入りのお茶が普及し関心も高まっていますが、私たちのような規模の小さい農家が地方でおいしいお茶を作っていることを知ってもらうには、いい機会なんじゃないかなと思います。
茶畑は全部で520アールほどあります。中山間地なので傾斜地に広がるだんだん畑に、10アールとか20アールくらいに仕立てた畑が並んでいるんです。そこで8品種の茶葉を栽培しています。早生(わせ)、中生(なかて)、晩生(おくて)と品種の特性を生かし、柔らかくていい状態の茶葉を摘採できるように、摘採期の分散を図っています。
新茶となる一番茶はGWあたりに、二番茶は6月下旬に収穫し、8月上旬の三番茶と続きます。
いい原料のために何でもやってあげたい。できるだけ有機質の肥料を施し、地域にあった栽培を心がけています。
私たちにとって緑茶といえば高千穂の釜炒り茶でした。
自分でお茶を作るようになって、日本各地においしいお茶がいっぱいあることを知りました。種類も製法も、味も香りも多彩なんですね。もちろん私たちも商品には自信を持っています。おいしく飲んでいただける味と香りだと思います。ですが、もっとおいしいものを作りたいんです。いろんなお茶を飲んだり生産者と交流したりしながら私の数歩、先を行く作り手たちに追いつきたいと思っています。
長い時間を経て私たちに受け継がれた高千穂釜炒り茶。製茶の現場は機械化が進んでいますが、昔ながらの釜炒りという製法を次の世代へ、ちゃんと繋いでいくことも私たちに課せられた大切な役目です。